簡易宿泊所等に滞在する生活保護利用者への支援に関する緊急要望

5月17日未明に起きた川崎市の簡易宿泊所での火災では、わかっているだけで、9名以上の方が犠牲になりました。また、簡易宿泊所に宿泊していた人の多くが生活保護利用者であったことも報道などで明らかになっています。

このような悲劇が二度と起こらないように、また、必要な人がアパート等の地域生活に移行できるような支援を求めて、下記の事項を要望します。

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2015年5月26日

内閣総理大臣 安倍晋三殿

厚生労働大臣 塩崎恭久殿

認定NPO法人自立生活サポートセンター・もやい

理事長 大西連

簡易宿泊所等に滞在する生活保護利用者への支援に関する緊急要望

 

平素より日本の社会保障の拡充にご尽力いただき、感謝いたします。

私たち<もやい>は、日本の貧困に取り組む認定NPO法人です。生活困窮者への相談支援の活動のほか、ホームレス状態の人への連帯保証人の提供など、ハウジングプア問題にも取り組んでいます。

本年5月17日未明に、神奈川県川崎市の簡易宿泊所において発生した火災により、報道によればわかっているだけで9名以上の犠牲者が出ました。

ご承知の通り、火災のあった簡易宿泊所のある川崎区日進町のエリアは、いわゆる「ドヤ街」であり、現在は多くの高齢単身の生活保護利用者が生活する地域でもあります。また、こういった「ドヤ街」は川崎だけでなく、東京・山谷、大阪・釜ヶ崎など、大都市圏に点在し、単身高齢の生活保護利用者の生活拠点となっています。

国土交通省は5月18日に「簡易宿所に係る違反対策の徹底について」という通知を各都道府県に発出し、類似の災害の発生を防止するための違反対策等の指導の徹底を求めています。「ドヤ街」にある簡易宿泊所には老朽化しているところも多く、安全性の確保は急務でしょう。しかし、一方で、こういった簡易宿泊所に長期滞在をしている単身・高齢の生活保護利用者も多く存在します。

生活保護法は居宅での保護を前提(30条)としており、本来であれば早期にアパート生活等への地域移行支援が求められますが、入居費用一時金の支給に消極的な福祉事務所も多いため、単身の高齢者が長期にわたって生活することを想定していない、簡易宿泊所や無料低額宿泊所などでの滞在が、数年にもわたってしまう例も珍しくありません。

私たちは類似の災害の発生の防止と、希望する人が早期にアパート生活等に移行し、必要なサービスを利用しながら地域で生活を営めるよう、以下の対策を求めます。

 

1.現在、全国の簡易宿泊所、無料低額宿泊所および無届の宿泊施設等で生活している生活保護利用者の実態(人数や滞在期間等)や居住に関する意向を把握するための調査をおこなうこと。

 

2.アパート生活を希望する生活保護利用者が早期に地域移行できるための支援策を各自治体とともに早急に用意するとともに、必要な予算措置を講ずること。

 

3.1および2項の実施にあたり、開かれた場での有識者会議等を呼びかけ、国の方針及び、実施計画等を策定し、全国の自治体に周知徹底、指導すること。

以上

 

認定NPO法人自立生活サポートセンター・もやい

理事長 大西連

東京都新宿区新小川町7-7アゼリアビル202号

電話:03-3266-5744 FAX:03-3266-5748 メール:info@npomoyai.or.jp


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