認定NPO法人 自立生活サポートセンター・もやい

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もやいブログ

2017.12.1

おもやいオンライン

NPOで「住まいの支援」を仕事にするとは? もやい入居支援事業スタッフに聞く #知る動く

年間約4,000件以上の生活相談対応をおこなってる〈もやい〉は、主に4つの事業をおこなっています。中でも、ホームレス状態の方にアパート入居のための連帯保証人の提供・緊急連絡先の提供をのべ約1,000件以上おこなっているのが「入居支援事業」です。これら事業を担うため、多彩なバックグラウンドを持つスタッフが〈もやい〉では働いています。
今回は入居支援事業のコーディネーターを務める土田功光(つちだいさみつ)さんに、仕事の実際やご自身のキャリア、関わっている中でのやりがいをうかがいました!(聞き手:佐々木大志郎)

土田功光さん

── 土田さんご自身は社会人になられてから現在まで、どのような働き方をされてきたのでしょうか?

20代前半までは“堅実派”でしたから、現在よりも将来を見据えるような選択をしていました。ところが、26歳でピースボートに乗船してインドシナ各国を訪れたことで呪縛から解き放たれ、それ以降は自分の興味や関心、価値観と仕事を結びつけるようになりました。そこから早四半世紀(笑)という感じですね。

── 「NPOで働く」という選択肢は、特に一般企業でのキャリアがある方は、まだまだ取りづらい状況ではないかと思います。その選択に迷いはなかったのでしょうか?

私自身はNPOを含めて今回の転職で7回目となるのですが、この回数の転職ともなると、迷うということはなかったですね。特に自分の年齢を鑑みて、この歳になっての就職というのは一般的にハードルの高いことだと思いますから、その求人にたどり着いたこと自体が一つの“運命”かとも思いました。

── 土田さんが〈もやい〉へコミットされてから3年目ですが、求人に応じた動機と経緯はどんなものだったのでしょうか?

〈もやい〉の求人へ応じたのがちょうど2年前です。知人のFacebookタイムラインで求人を知ったんですが、仕事の内容が自分のそれまでの様々なキャリアの要素の集まりという感じだったので、慌てて小論文を書いて提出するという流れでした。

── 現在携わっているお仕事の内容を教えてください。

主に携わっているのは「入居支援事業」です。ホームレス状態にある方のアパート入居、そしてその継続をサポートするのがメインとなります。自分を含めたスタッフ2名で事業を回していますが、私の担当は主に「継続」と「終了」です。アパート生活を送る中でのイレギュラーな出来事、たとえば「滞納」や「行方不明」などが発生した場合に、ご本人だけでなく大家さんや不動産屋さん、ケースワーカーなどと様々な調整を行い、入居の継続などを進めていきます。出会い、向き合う当事者の方々は、まさに百人百様です。

── 一日の主なスケジュールを教えてください。

デスクワークも現場回りもあるので、その日その日で業務内容がかなり違います。事務所にいるときには、あちらこちらと電話してますね。たぶん〈もやい〉スタッフの中で一番電話をしているかもしれません。細かな事務回り仕事も多いですし、今後スタートする予定の「新事業」の展開にアタマを巡らしていることも多いです。現場回りでは、たとえば電話が不通になってしまった方の安否確認に出向いたり、時には亡くなった方のお部屋の引払いに同席する機会も増えています。

── 一番やりがいを感じるのはどんな時ですか?

相談に来た方の笑顔やホッとした顔を見られた時ですかね。コミュニケーションが得意ではない方も多いのですが、笑顔は万人共通。その場に流れる暖かな空気は、なんとも心地よいですね

── 仕事柄、社会的に弱い状況に追いやられた方と、不動産業者の方や大家の方などの橋渡しをする立場で、さまざま難しいことも多いかと思います。それでも当事者の側に立ち続ける〈もやい〉で働く上で、一番必要なことはなんだとお考えですか?

実際働いてみて感じたのですが、当事者の方の中では物事を一つひとつ進めていくことが苦手といいますか、手続きを諦めてしまう方が多いなぁと思うことがありますね。でも、そんな方でも周りが少しでもサポートすれば「スーッ」と進むんですよ。関わることで大切なのでは、自分の理屈で考えるのではなく、ご本人の思いを素直に受け止めて、優しく背中を押すことだと思います。実際難しいことも多いのですが。

── 2017年12月より〈もやい〉では入居支援事業の求人を開始しています。最後に、まだ見ぬ共に働くメンバーへメッセージをいただければ。

この仕事をしていると「目の前の問題を一つひとつ解決することの大切さ」と「世の中の貧困問題を解決することの難しさ」を、本当に実感させられます。スタッフだけでなく、ボランティアの皆さん、そして寄附というカタチで思いを寄せてくださる支援者の皆さんとともに、この見果てぬ大海原を進む醍醐味をぜひいっしょに味わいましょう!

── ありがとうございました!

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