貧困は、私たちのすぐ隣で起きています。社会問題を「知る」そして知ったあと「動く」方法を一緒に考えてみませんか? 「貧困問題」が根底にあるさまざまな事件に法律家の立場から取り組んでいらっしゃる林治さん(弁護士)に、ご自身の経験を通じたメッセージをいただきました!(聞き手:おもやいオンライン編集部)

貧困問題が可視化されはじめた時代で

自分が貧困問題に関わり始めたのは、2007年に弁護士となった当初からです。
ちょうど2006年、自分が司法修習生だった時は「反貧困ネットワーク」が立ち上がり、貧困問題について個別ばらばらに取り組むより団結して運動していこうと盛り上がり、法律家もそれらに関わり始めるという時流が現れ始めた頃でした。そのようなその盛り上がりの中で、自分も自然と問題に関わり始めたのが経緯となります。

ただ、もともと自分の両親が障がい者の通所施設をやっており、そのため年金の問題や生活保護の問題を見聞きする機会があったので、このような問題を「全く知らない余所で起こっているわけではない」ということは理解していました。
また、弁護士として関わり始めた翌年、2008年から2009年にかけておこったリーマンショックを発端とした派遣切り・それに伴う「年越し派遣村」が開設されることで、日本社会でずっと「ない」といわれていた貧困問題が可視化された最も顕著な状況を前にして、改めて問題の重要性を認識し法律家として「貧困問題」に関わっていこうと思いました。

では何故関わり「続けている」かというと、それはやはり「法律家に、自分の問題の解決を手伝ってほしい」と頼ってくれる方がおられるからなんですね。自分は法律家の立場として、頼ってくれる目の前の人へ出来ることがあり、出来る能力や資格があるのであれば、しなければならないのではないかと考えています。
それが自分にとって問題を知り、行動し続ける理由として一番大きいことだと思います。

貧困ゆえに起こる問題を解決したい

最近特に思うことですが、通常の弁護士の仕事としても「貧困ゆえに起こる問題」に関わることが、とても多くなっていると感じてます。
たとえば離婚であったとしても、経済的DVのような形で生活が立ちゆかなくなることが背景にあったりしています。また、刑事事件であっても、お金がないことを理由にした無銭飲食や、住まいをなくし仮の宿を求めて倉庫へ侵入した故での逮捕なども散見されます。もちろん(日弁連などがずっと問題提起してきた)多重債務についてもそうです。

こういった「貧困でさえなければ安定した社会生活を営み、犯罪をおこさなかったであろう人々」と、事件の場面で遭遇することが多々ありました。
だからこそ、ひとつひとつの事件の解決はもちろん大事ですが、根本的に今の社会システムをこれらの問題が起きないようなものへ作り替えなければならないと感じています。そのためには、さまざまな分野の方が連携して社会へ働きかけていく必要があります。

そういった意味で、貧困問題に現場から取り組む〈もやい〉の活動は、とても弁護士の活動と重なる部分が多いのです。
今後とも、お互いに補完し合える関係を作っていければと思います。

冬のご寄附のお願い

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