「数多の課題認識あり」、他方で「実務経験者ゼロ」というまさに手探り状態のなか、#あたらしい結び目 を社会につくるべく2018年5月に船出を迎えた〈もやい〉住まい結び事業。
まさに「百聞は一見に如かず」「習うより慣れろ」を実感することとなった本年を、数字をキーワードに振り返ります。

108・92・59 ⇒ 12・7・5

この数字は住まい結び事業を通じて5月から7月までに入居された3名(いずれも生保受給中または受給予定)について、“ リストアップ“ した 物件数、“ 実際に内見” した物件数になります。

当事業では、これまでの保証事業と同様に、当事者の人権尊重という観点から「ご本人の希望・選択」を最重視しています。生活保護における住宅扶助額(単身・都内だと月5.37万円が原則上限)を家賃ベースに、希望されるエリアや設備(風呂・洗濯機置場など)で物件を絞り込むわけですが、この3名は高齢でもなければ、難しい条件をつけていたわけでもありません。

大家側の業者(元付業者といいます)に問い合わせると、「生活保護」だけを理由に3分の2の物件が候補から外れ、「精神障害」が加わるとそれだけでさらに1割が候補外になるのです。

さらに既に入居者が決まっている「おとり物件」の類や、「保証会社+ 保証人」あるいは「身内の緊急連絡先」といった〈もやい〉の相談者にとって高いハードルの条件が加わることで、実際に内見を検討できるのは10件に1件というのが現実です。

希望条件にあう候補物件について、元付業者に電話で問合わせ中のスタッフ

「事業」として考えれば(仲介手数料が家賃に連動することも含めて)採算が合わず、故に市井の不動産屋では「門前払い」扱いされる背景を実感するとともに、さらに多くの業者から耳にする「過去に痛い目にあってるから、生活保護の方はご勘弁を」という本音の中に、この問題の根深さを痛感しました。

と同時に、「生活保護」「精神障害」とラベリングするのではなく、「A さん」「B さん」として向き合って欲しいという思いを強くしています。

21分の17

当事業は、現在までその開始を〈もやい〉のホームページで告知した以外には積極的な広報をしていません。そのため、相談者は大半が〈もやい〉へ生活相談にお見えになり、かつ自分で不動産探しをするのが難しそうな方。

高齢の方は少なく、メンタル的な課題を抱えていらっしゃる方が7月までの21名中17名(81%)を占めています。

同様の傾向は生活相談にも見受けられ、〈もやい〉発足当時の「地方出身で高度成長を支えてきたが、その後都会で職を失いホームレスになった」という相談者の典型が大きく変わっていることをあらためて実感しています。
まさに、〈もやい〉全体が対峙すべき大きな課題と言えます。

来年はこの大きなニーズをさらに拾いつつ、多様な背景を持つ方々へ「住まい」を結ぶ本事業を発展していけたらと考えています。

どうか引き続きご注目ください!

もやいへのご支援のお願い

生活にお困りになり〈もやい〉ご相談にこられる方々。その中でも、現在お仕事をされているにも関わらず困窮される方も増え続けています。 貧困問題に立ち向かう〈もやい〉を、寄附という形で応援していただけませんか?