はじめに

「経験不問」の文字に背中を押されて飛び込んで、はや1か月。
研修で事業を渡り歩き右往左往しながらも、経験豊富でオープンマインドな
スタッフやボランティアの方々からたくさんのことを学ばせていただき、
充実した日々でした。コロナ禍の収束が見えないなかで、
なかなかお会いできずにいる方も多く残念ですが、本稿をもってご挨拶とさせていただきます。

〈もやい〉に来るまで

プロテスタントの牧師家庭で育ち、教会ではさまざまな境遇・立場の方が
身近にいる環境でしたので、子どもの頃から格差や貧困に対する問題意識というのは持っていました。
大学卒業後は一般企業へ就職し中央官庁への出向や転職も経験しましたが、
既存の社会制度や価値観を所与のものとして考えるあり方に閉塞感を感じており、
もっと違う枠組みで社会にアプローチすることができないかとずっと考えていました。
そうしたなかで見つけたのが〈もやい〉の求人でした。
実は2018年のスタッフ募集の時の求人も見ていて、その時は踏ん切りがつかず
応募できなかったのですが、それがずっと引っかかっていて……。
たまたま宅建士の資格も持っていたので、チャレンジするなら今だと思って履歴書を送りました。

実際に働いてみて

実は応募するまで〈もやい〉との直接的な関わりはほぼなく、
ボランティアセミナーに参加したことがある程度だったので、
本当に一からのスタートでした。実際に働いてみて感じたのは、
貧困問題という難題に継続的に取り組むための議論と試行錯誤を、
スタッフやボランティアの一人ひとりが真剣に、注意深く、重ね続けてきたのだということでした。
私が担当する住まい結び事業についても、たくさんの不動産事業者があるなかで
〈もやい〉で不動産仲介事業をやることの意味や、〈もやい〉にできることは何か
ということを常に考えながら事業をすすめています。

住まい探しのハードル

住宅扶助の上限額内で希望に合う物件を探し、事業者へ問い合わせては
「生活保護利用の方は難しいです」と硬い声で断られ続けるのは
やはりなかなか辛いものがありますし、当事者の方であればなお一層のことと思います。
そして内見まで漕ぎつけても、多くの場合その後には保証会社の審査があります。
ある人にとっては何でもないようなハードルが、困難を抱えた人の前では
高くそびえて立ちはだかるのをまざまざと見る思いです。
一度賃貸借契約を締結すれば借主の権利は法律で守られ、容易に契約を解消することは
できないため、「リスク回避」のために入居拒否という手段をとる貸主も珍しくはありません。
相談者=借主の権利を第一に考えたうえで、貸主が感じる「リスク」についても
どのように低減・吸収できるかということを考えていく必要があると感じています。

むすびに

コロナ禍のなかで、支援の現場を取り巻く状況は厳しいものですが、
クラウドファンディングを含むご寄附やさまざまな形で多くの方が
思いを寄せてくださっていることを大変心強く思います。
前線の一角を担う者として、身を引き締めて精進して参りたいと思います。

プロフィール


1990年神奈川生まれ。横浜市立大学 国際総合科学部卒業。企業勤務を経て、2020年7月より〈もやい〉で住まい結び事業コーディネーターとして勤務。

もやいへのご支援のお願い

生活にお困りになり〈もやい〉ご相談にこられる方々。その中でも、現在お仕事をされているにも関わらず困窮される方も増え続けています。 貧困問題に立ち向かう〈もやい〉を、寄附という形で応援していただけませんか?