もやいとは?

〈もやい〉とは?

〈もやい〉は、2001年の設立以来、「日本の貧困問題を社会的に解決する」というミッションのもと、活動を展開してきました。

私たちは、貧困を「経済的な貧困」と「つながり(人間関係)の貧困」という二つの視点でとらえ、その解決を目指しています。
前者に対しては、生活相談・支援事業入居支援事業で生活基盤の回復を、後者に対しては交流事業でつながりと自尊心の回復をお手伝いしています。

〈もやい〉に訪れる人はさまざまです。ネットカフェに泊まりながら派遣で働く若者や、パートナーのDVから避難してきた女性、低年金・無念金の高齢者、刑務所から出所後住まいがなくて困っている人、障害があって働けず実家にいるものの両親と折り合いが悪く、なんとか実家を出たいという人、生活保護でいったん施設に入ったままなかなかアパートに入居できずにいる人、役所のケースワーカーとの関係に悩んでいる人……。
私たちは、訪れる方それぞれの状況とご本人の希望に応じて、話を聞き、それを整理し、解決策を見つけるお手伝いをしています。

一方で、目の前にいる人を支援するということ(それはとても重要ですが)、それだけでは貧困問題を解決することはできません。貧困が生み出されてしまう「社会構造」を変えることができなければ、根本的な解決には結びつきません。
私たちは、広報・啓発事業をつうじて、現場から見えてきた貧困の実態を社会に伝え、具体的な解決策の提案も含めて国や地方自治体などに対して示していくことで、この社会を変えていきたいと考えています。

団体の成り立ちと〈もやい〉の事業

〈もやい〉は2001年に設立されました。
当時、野宿者支援の現場では、ホームレス状態の人が連帯保証人を引き受けてくれる人を見つけられずアパートに入居できないという問題に直面していました。その問題に対して、自分たちが連帯保証人を引き受けることによって解決を目指そうという入居支援の取り組みから〈もやい〉の活動はスタートしました。

しかし、〈もやい〉が連帯保証人を引き受けることによってアパートに入居できたものの、アパート入居後に社会から孤立してしまう人が少なからずいました。そこで始めたのが交流事業です。交流サロン「サロン・ド・カフェ こもれび」をはじめとした様々な居場所や社会参加の場の創出を通じ、社会的孤立の解消を目指してきました。

また、活動を続ける中で、経済的な問題や日々の生活にまつわる困りごとの相談を受けるようになりました。
当初は住まいや収入のない単身男性からの相談が多かった生活相談・支援事業ですが、相談者の状況は年々多様化し、女性やセクシャルマイノリティの方、障がいのある方、派遣で働く若者や、ひきこもりがちの無職の方など様々です。

さらに2018年5月には、入居支援事業の一環として、不動産仲介(通称:住まい結び事業)をスタートしました。
その背景には、〈もやい〉が連帯保証人や緊急連絡先を引き受けたとしても、「生活保護を受けているから」「障害があるから」「高齢だから」といった理由で大家さんから入居を断られる、複数の不動産業者から断られ続けたことでご本人が心身ともに疲れ果ててしまうといった状況で、アパート入居にたどりつけない人がいるという問題がありました。このことへの処方箋が、不動産仲介というチャレンジでした。

そして、〈もやい〉は、目の前の人に対する個別の支援のみならず、貧困問題の最前線の現場から見えてきたことをもとに、行政への提言や申し入れ、取材対応や講演活動など、様々なチャネルを通じで発言し、貧困のない社会をつくるための活動も行っています。

このように、もやいの事業はその時々の出来事や、相談者のニーズに対応しようとするなかで、徐々に拡大・多様化の道をたどってきました。そして現在、もやいは「貧困問題を社会的に解決する」というミッション達成のために、社会環境の変化にあわせて各事業のアップデートに取り組んでいます。

〈もやい〉という団体名の由来

〈もやい〉のロゴマーク

「もやい(舫)」には、‘船と船をつなぎあわせること’‘よりそって共同でことをなすこと’といった意味があります。
ロゴマークは、その「舫」の文字と‘もやい結び’というロープの結び方をデザインしたものです。

もやい結びは、船を港に係留するときや、登山や救助活動などで安全を確保するときなどに使われる結び方で、外から大きな力がかかってもほどけず、危険から守ってくれます。しかし、ほどこうとすれば簡単にほどくことができます。

〈もやい〉は、困難な状況にある人が危険を乗り越えられるように「もやい結び」でつながりますが、必要がなくなれば結び目をほどくこともできる、そのようなゆるやかな人と人とのつながり、人と社会とのつながりを拡げていくことを目指しています。

また、「自立生活サポートセンター・もやい」という団体名の中にある「自立生活」は、経済的な自立を指すのではなく、自分の生き方を自分で選択・決定し、尊厳をもって生活を送ることができる状態を指しています。

誰もが、自分の人生を、自分らしく生きていく。そして、人と人、人と社会がゆるやかに、そして、しなやかにつながっていく。それこそが、私たちが目指す社会のあり方と言えるでしょう。

※「もやい」という名称は、もともと水俣で使われていた「もやい直し」という言葉からいただきました。
※もやい直し……人と人との関係、自然と人との関係がいったん壊れてしまった水俣で水俣病と正面から向き合い、対話し協働する取り組みを「もやい直し」と名づけています。(水俣病資料館ホームページより)

〈もやい〉のこれから

〈もやい〉は、2001年の設立より、貧困の現場から、一人ひとりを支え、社会に対して提言や発信を続けてきました。
2000年代、そして、2010年代は、貧困問題をめぐる環境、社会や政策・制度も大きく変化をしました。ワーキングプアやネットカフェ難民と呼ばれる人々。リーマンショックに派遣切り。生活保護法が半世紀ぶりに改正されたり、新しい支援制度である生活困窮者自立支援制度がスタートしたり、子どもの貧困対策基本法が成立したり……。

私たち〈もやい〉も、時代や社会の変化とともに、事業や体制、担うべき役割を整えてきましたが、それは今後も変わりません。
「貧困問題を社会的に解決する」というミッションをクリアするために、現場のニーズに対応しながら、事業を展開していきます。

具体的には、従来の活動に加え、次のようなことに積極的に取り組んでいきます。

  • 多様な相談に応えられるよう、相談体制を強化していきます。
  • 生活に困窮していながら、まだ相談機関につながれていない人へのアプローチを広げます。
  • 貧困問題に関心がない人にももっと貧困について知ってもらえるよう、様々な機会を作っていきます。
  • 調査・分析・提言により力を入れていきます。

〈もやい〉のこれからの展開にもご注目いただき、さまざまな形でのご支援・ご協力をお願いいたします。

 

moyaitoha_20150421121902_001