レポート

2018年9月22日、14回目となる「貧困問題を『学ぶ・伝える』レクチャーセミナーを先日熊本県熊本市の水前寺会館にて実施しました。共催団体の特定非営利活動法人ワーカーズコープ熊本のみなさまに会場の確保、広報、そして当日の運営まで多大なご協力をいただき、当日は約40名の方にご参加いただくことができました。今回のレクチャーセミナーの参加者は民生委員や福祉専門職(社会福祉協議会など)に加えて、子ども食堂や教育関連の活動をされている方々に多く参加していただきました。

日本の貧困、地域の実践

レクチャーセミナーの前半では〈もやい〉理事長の大西から日本の貧困の全体像について、またとくに子どもの貧困と貧困の世代間再生産についてお話させていただきました。ご参加されていたみなさまからは、社会集団による進学率の格差や生涯賃金の格差、子どものいる世帯の経済的はく奪の実態など、具体的なデータを提示したことで、身近な人に対して伝えたり、説明したりするのに便利だとご好評いただきました。

講義の様子

また、2015年に開始された生活困窮者自立支援制度の各種事業の熊本での実施状況について概観した上で、各参加者が個人、地域、自治体の各水準で貧困問題の改善のためにどのようなことができるのか、グループで意見交換をしていただきました。普段からそれぞれの現場で活動されている方が多かったためか、とても活発なやり取りがなされ、その中で具体的なアイデアが提示されていました。

グループワーク

県内各団体の報告

セミナーの後半では共催団体のワーカーズコープ熊本のほか、実際に生活困窮者自立支援制度の各種事業を行っている団体の方々から活動報告をいただきました。熊本市生活自立支援センターの狩野啓輔さんからは自立相談支援事業の状況について、生活保護を管轄している福祉事務所からつながる相談者が多い一方で、多様な相談機関とのつながりが構築されている状況のご報告をいただきました。

社会福祉法人グリーンコープの中村倭文夫さんからは、一時生活支援事業についてご報告いただきました。過酷な環境の中で生活されてきた方々の中には、もともと熊本に縁があり、他の地域を転々として長い距離を移動しながら熊本にたどり着いたという生活史を持つ方がおり、東京とはまた違った状況がある点に言及されていたことが印象的でした。

共催団体のワーカーズコープは学習支援事業を担当しており、石井雅臣さんからは具体的な事例を踏まえて、現場で日々どのような実践がなされているのか、またニーズを持つ子どもやその家族にアプローチする上での課題について臨場感あふれるご報告をいただきました。

最後には報告者、参加者のみなさまと集合写真を撮らせていただきました。

集合写真

地域の新たなつながり

今回、熊本ではセミナー終了後に参加者の有志でお茶会を開きました。そこでは、お互い地域で活動をしていながらも、これまであまり顔を合わせることがなかったという方々がそれぞれの活動について、また新しい取り組みのアイデアについて意見を交わされていました。

東京に戻ってから、改めて当日の参加者で協力できることがないか、話し合う場を作るつもりであるとのご報告もいただいており、本セミナーが地域でのあたらしいつながり、新しい取り組みへとつながるきっかけとなったのであれば幸いです(担当:結城)