ふとんで年越しプロジェクト2016

年末年始は、閉庁といって、公的間の窓口が閉まり、生活保護の申請やホームレス対策の支援施策等の活用が難しくなります。
例年、都内でも各地で支援団体がこの期間を「越年・越冬」などと名付け、炊き出し(共同炊事)や夜回り、野営(テントや路上にふとんを敷くなど)、生活・医療相談などのさまざまな支援を展開します。

2013~2014年の年末年始より、僕をはじめ、都内の支援団体のメンバーで呼びかけて「ふとんで年越しプロジェクト」を結成し、年末年始の期間の緊急用のシェルターの提供や、生活・医療相談をおこなっています。
2013~2014年には約20人、2014~2015年には約30人、2015~2016年には約20人の人を支援してきましたが、2016~2017年のこの年末年始にも、「ふとんで年越しプロジェクト」をおこないました。

さまざまな困難さを抱えて路上に

さまざまな困難さを抱えて路上に「ふとんで年越しプロジェクト」では、各支援団体と協力し、各団体からの依頼があれば駆けつけて宿泊場所と食事、医療生活相談をおこないます。また今回は、2度「アウトリーチ」(困っている人のところに我々の方から出向いていく夜回りなどの
活動)もおこないました。

活動に参加していたのは、〈もやい〉のメンバーをはじめ、他のNPOや民間支援団体のメンバー、医師、看護師、法律家など、多種多才なメンバーが、毎日約20名、合わせて40~50名が参加して、支援をおこないました。

シェルター利用者25名の状況は十人十色ですが、女性の方や、知的障がい、精神障がいを抱えている方、車イスの方もいらっしゃいました。
年齢は25歳の方から90歳代の方までと、こちらも幅広く、すべての人が一時的・もしくは長期的に住まいを失っていました。
詳細は、まだまとめきれていない部分も多いのですが、何らかの病気や障がいを抱えている人が多いことも過去3回の活動と同様でした。
また、過去に(もしくは現在進行形で)、生活保護を利用していた方もおられました。それらの方々は、支援につながっていながら、必要な制度を利用できなかったり、貧困ビジネスのような劣悪な住環境などにとめおかれ、結果として十分な公的支援からこぼれてしまっていたのです。

そして(これも例年の傾向なのですが)「数年間ネットカフェに宿泊している」などの若者からの相談も複数届きました。彼ら・彼女らの多くは、年明け後に派遣や日雇の仕事に戻っていきましたが、なかには、不安定な生活から脱却するため一時的に生活保護などの支援を利用することを決断した人もいます。
25名の状況と年明け後の行き先はさまざまですが、これは通年の活動でもかわりません。
年末年始の極寒の路上から見えたことを忘れずに、〈もやい〉の活動でも生かしていきたいと思っています。

ABOUTこの記事をかいた人

大西連

1987年東京生まれ。 認定NPO法人自立生活サポートセンター・もやい理事長、新宿ごはんプラス共同代表。ホームレス状態の方、生活困窮された方への相談支援に携わっています。また、生活保護や社会保障削減などの問題について、現場からの声を発信したり、政策提言しています。