おもやい通信2017年夏号より、大西連の巻頭言を転載します。

ゴールデンウイーク明けから気温も急激にあがり、あっという間に初夏の陽気と日差しになりました。季節の変わり目で体調を崩されている方もいらっしゃるのではないでしょうか。〈もやい〉の新事務所での活動も、みなさまのご支援・ご協力により、無事にスタートしました。
まだ新事務所にいらしていない方は、ぜひ、土曜日のサロン等に遊びに来ていただければ幸いです。

この原稿を書いている5月11日に、毎日新聞に「ホームレス自立支援法」に関する記事が出ていました。「ホームレス自立支援法」は、ホームレス対策を定めた法律なのですが、時限立法といって期間の定めのある法律です。その期限が2017年で切れてしまうということで、それを自民党の厚労部会が延長の方針で了承した、という内容でした。
「ホームレス自立支援法」は、2002年に施行されて以来、各自治体での「自立支援センター」の設置や、ホームレス概数調査、ホームレスの実態に関する全国調査の実施、国の基本方針の策定や各都道府県での実施計画の策定などによって、いわゆる「ホームレス対策」を大幅に前進させた法律です。2015年に生活困窮者自立支援法が施行されてからは、そこに役割の一部を吸収するかたちで「延長しない」と言われていたのですが、〈もやい〉もふくめた全国の支援団体等の連名・賛同による「ホームレス自立支援法の延長を求める要望」の甲斐もあってか、このたび延長が認められる可能性が高くなりました。とはいえ、まだ、議員立法での延長のための国会での審議が必要であり、予断を許しません。今後も注視していきたいと思います。(※編集追記:6月13日に法期限の10年延長が成立しました)

また、1月31日にTBS の情報番組「白熱ライブビビット」において、河川敷に住んでいるホームレスの男性に対して「人間の皮を被った化け物」などと形容するなどの問題があり、こちらも、TBS 側に抗議をするとともに、厚労記者クラブにて記者会見をおこない、「ホームレス問題」を報道する際にプライバシーへの配慮や、名誉棄損にならない表現などを求めることを訴えました。
その後、TBS「白熱ライブビビット」の放送中に謝罪をおこなったり、当該の特集がBPO(放送倫理・番組向上機構)で審議入りをするなど、大きな改善がありました。

そして、3月には、渋谷の宮下公園が再開発にともない閉鎖され、その周辺地域で生活していたホームレス状態の人たちが公園で過ごすことができなくなる、ということも起きました。

再開発に伴う宮下公園封鎖について(結城翼)

2017.03.29

このように、「ホームレス」をとりまく、社会や政策は、とても大きな変化を迎えています。
私たち〈もやい〉は、これまでも、これからも、現場の視点を大切に、そういった変化に対してきちんと声をあげたり、必要な提言をしていきたいと思っています。

ABOUTこの記事をかいた人

大西連

1987年東京生まれ。 認定NPO法人自立生活サポートセンター・もやい理事長、新宿ごはんプラス共同代表。ホームレス状態の方、生活困窮された方への相談支援に携わっています。また、生活保護や社会保障削減などの問題について、現場からの声を発信したり、政策提言しています。