このたび、理事長の大西連が6月1日付で内閣官房孤独・孤立対策担当室政策参与に就任しましたので、ここにご報告します。大西は引き続き、〈もやい〉での相談支援や団体運営に携わっていきます。今後とも〈もやい〉の活動へのご理解、ご協力をお願いいたします。

〈もやい〉は2001年の設立以来、「貧困を社会的に解決する」をミッションに活動してきました。このミッションの下、わたしたちは「経済的な貧困」と「つながりの貧困」という二つの観点から「貧困」をとらえ、生活困窮者への相談支援、住まいを確保するための支援(保証人提供、緊急連絡先、不動産仲介など)、居場所づくりの活動など、現場での支援をおこなっています。また、「日本の貧困」をテーマに情報発信や政策提言等を積極的に展開しています。

昨年来のコロナ禍においては、感染症対策を徹底しつつも緊急の相談体制を整備し、従来の相談活動に加えて、毎週土曜日の新宿都庁下での食料品配布および相談会を実施するなど、現場での支援に力を入れてきました。2020年度は、例年の1.5倍以上の相談をお受けし、新宿都庁下での食料品配布に来られる方はこの1年で3倍以上になりました。

コロナ禍の影響は多くの、また多様な方に影響を与えています。経済的には、さまざまな産業や職業が影響を被り、とりわけ不安定な雇用状況にいる方々は大きな困難に直面しています。また、「つながりの貧困」という観点からいえば、孤独・孤立の問題も待ったなしの状況が続いています。感染予防のために地域のさまざまな居場所に参加できなくなるといった状況だけでなく、DVや虐待などに遭い、安全で安心な場を確保できない人も増えています。

コロナ禍の中、〈もやい〉をはじめとしてNPO等の民間団体はその資源を最大限に活用して、現場の支援活動を展開しています。しかし、こうした「共助」の活動に限界があるのも事実です。今こそ「公助」の役割の重要性と、その規模の拡大が求められていると言えます。

〈もやい〉としても、生活困窮者への公的支援の拡充を求めて、現場の活動のみならず、政策提言等の活動をおこなってまいりました。大西が「政策参与」という形で、政府の孤独・孤立対策に携わることになりましたが、〈もやい〉としても、引き続き現場の活動と、そこから見えてきたことを発信し、提言活動等につなげていきます。

今回、大西の「政策参与」への就任により、政府との関係性、団体の活動の中立性について疑念を持たれる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、〈もやい〉はこれまでもこれからも、特定の政党や政治団体、宗教等の支持や応援はしません。あくまで中立的な立場から、ミッションの遂行のために各事業を続けていきます。今回のことにより、このスタンスが変わることはありません。

また、〈もやい〉は利害関係にとらわれず政策提言活動をおこなうためにも、国や自治体からの委託事業等は受けないというポリシーをもっています。事実、〈もやい〉の活動は個人の方からのご寄附によって支えられており、財政的に独立した立場にあります。自律的な団体として、必要だと考える事業を展開し発信し、提言しています。こうしたポリシーにも変わりはありません。

思い起こせば、リーマン・ショックを引き金とした経済危機のさなか、当時〈もやい〉の事務局長であった湯浅誠氏が「内閣府参与」に就任しました。この頃はNPO等のメンバーが政府の政策立案過程に参画すること自体が珍しかったと思いますが、この10年で、状況は大きく変わりつつあると思います。このことは、〈もやい〉をはじめNPO等のメンバーの発信や提言活動がもつ社会的な責任が大きくなっていることも示しています。

〈もやい〉は現場での活動はもとより、必要な発信や提言を遠慮なくおこなっていきます。引き続き、ご注目ください。また、大西の「政策参与」としての活動や発信についても、厳しい目でチェックしていただければ幸いです。

今後ともよろしくお願いいたします。
認定NPO法人自立生活サポートセンター・もやい一同

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