6月に入り、じめじめした日が続きます。
さまざまな予報によれば、今年の夏もここ数年同様に、かなり気温が高くなると言われています。
猛暑日が続くと屋外で活動する方はもちろん、
屋内でもエアコン等の冷房機器を使用しないと熱中症のリスクが高まります。
とはいえ、物価上昇、そして、燃料代等の高騰の影響で光熱費も上がっていますので、
電気代等の出費を気にする方も多いのではないかと思います。
しかし、仮に、日中、公共施設など涼める場所で過ごすことができても、
夜間も気温や湿気が高いことが予測されます。
出費は痛いですが、適切にエアコン等の冷房機器を活用していただければと思います。
今号の9ページでは昨年の猛暑災害に関する調査について報告しています。
例年、〈もやい〉の活動においても、熱中症で倒れたり、
その後、療養を必要とされる方に出会います。
熱中症はいのちの危険をともなう深刻な症状に発展することがあります。
いのちに関わることですので、みなさま、
くれぐれも体調第一でお願いしたいと思います。
夏季加算の実現は?
生活保護制度には冬季の暖房代としての「冬季加算」はありますが、
残念ながら夏場の冷房代等としての「夏季加算」はありません。
民主党政権時代に、一時期、国会等で俎上にのぼったことはありましたが、実現はしませんでした。
その後、「生活保護バッシング」が吹き荒れたこともあり、
生活保護基準引き下げ等の政治的ムーブメントが発生し、
「夏季加算」の政策的な議論はそれ以来、ストップしたままです。
毎年の〈もやい〉の厚生労働省への要望書においても、
この「夏季加算」については、その実現を求めて項目に入れています。
今年の要望においても、盛り込みたいと考えています。
お米の値上がりと物価高
さて、物価上昇とさきほど書きましたが、ここ数年、食料品をはじめ、さまざまな生活用品等の値上げで苦しい状況が続いています。特に、この数か月はお米の値段もかなり上がっています。
スーパーなどの売り場に行くと、数か月前に比べて2倍近くになっていることもあります。
値段も上がり、さらに、品薄、という状況が続いています。
お米は主食なので、この状況は多くの方にとってこれまで以上にきついのではないかと思います。
景気は良くなっている、とメディア等では報じられることが多いですが、
私たちの暮らしへのダメージは計り知れないものがあります。
コロナ禍で失業したり、収入が減少するなど、
生活はできていたとしても、貯えが減った方も多くいます。
コロナ禍以降、雇用環境が改善し、職に就くことができた方のなかにも、
非正規労働など、低賃金でギリギリのところで
何とか日々やりくりしている方もたくさんいらっしゃいます。
そして、そもそも年金暮らしの方や生活保護利用者の方などは、
景気の向上の恩恵を受けることができず、
出費がただ増えていくという厳しい状況です。
一人ひとりの状況に目を向ける
毎週土曜日の新宿都庁下での食料品配布と相談会の活動には、
800人をこえる方が訪れることが常態化しています。
子育て世帯等向けの「交流型パントリー」でも、物価高による生活の圧迫の実情を聞きます。
また、この問題は、低所得者のみならず、
日本に住むほとんどの方が物価高の影響を受けていることだと思います。
そういった一人ひとりの状況に目を向けたときに、
まだまだ公的な支援が十分に届いているとは到底言えません。
公的、民間等含めて、必要な支援を求めて、〈もやい〉としても、
引き続き、現場の活動はもとより、さまざまな発信、提言等をおこなっていきます。
今後ともに、ご支援、ご協力を、よろしくお願いいたします。(大西)