みなさん、こんにちは。
〈もやい〉で入居支援事業を担当している田村千佳と申します。
最近、入居中のアパートの契約変更に関するご相談が増えています。
具体的には、家賃の値上げ、普通借家契約から定期借家契約への変更、
契約期間の変更、そして契約解除などです。
今回は、契約変更や契約解除を求められたときに知っておきたいこと、
気をつけたいことをお伝えしたいと思います。
契約変更・解除の同意は慎重に!
すでに契約している内容の変更には、
貸主(大家)と借主(入居者)のどちらか一方の意見ではなく、
双方の合意が必要になります。
大家さんから契約変更を求められても内容に納得ができなければ
「契約変更には合意しません」と言うことができます。
また、変更内容についての交渉をすることも可能です。
例えば3000円の家賃値上げを求められている場合、
「こちらも経済的に厳しいので1500円の値上げなら応じる」というようにです。
入居者の権利は法律で強く守られています。
契約変更に合意しなかったとしても、これまでの契約の内容を守って
家賃を支払っていれば、契約期間中は物件に住み続けることができます。
更新についても、普通賃貸借契約の場合は「法定更新」があります。
物件の更新時に合意に至らず、更新契約書が締結できなかったとしても、
契約を継続し、住み続けることができます。
また、大家さんからの契約解除については、普通賃貸借契約の場合には
「正当事由」+「6カ月前の予告」が必要であると借地借家法で定められています。
それにもかかわらず、不当な契約解除を迫られるケースは残念ながら少なくありません。
ハンコを押すのは慎重に…
大家さんや管理会社からきちんとした書類を見せられて説明を受けると、
契約変更や契約解除に合意しなければならないと思ってしまうかもしれません。
また、大家さんの事情を聞いて納得し、合意してもよいと思うこともあると思います。
そのような場合でも、その場でサインやハンコを押すことはやめましょう。
「お話は分かりました。内容についてよく考えたいので、持ち帰らせてください」と話して
一度持ち帰り、再度内容をよく確認し、〈もやい〉や、以下の窓口に遠慮せず相談してください。
入居者の不利益になることが書かれているのに、
大家さんや管理会社からそのことの口頭での説明がなく、
サインや、ハンコを押してしまった後で発覚したという事例も実際にありました。
法律上では一度サインやハンコを押してしまうと
変更内容に「同意した」とみなされ、その後の交渉が難しくなる場合があります。
借主の権利は法律で強く守られています。
例えば、家賃の値上げに対する調整、退去までの猶予期間の確保、
立退料の請求など、契約変更や契約解除にあたっては
内容をそのまま受け入れるのではなく、交渉の余地があることをぜひ知っておいてください。
不安なことや気になることがある、契約変更の書類を見てほしい、
自分だけでは対応が難しいと感じた場合には、
どうか一人で悩まず〈もやい〉や下記の相談窓口へご相談ください!(田村)