認定NPO法人 自立生活サポートセンター・もやい

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もやいブログ

2025.12.6

おもやいオンライン広報・啓発事業

[もやいの「葬送」プロジェクトの進捗報告]大阪に現地視察に行きました

前号の「おもやい通信」にて、クラウドファンディング
「もやいの『葬送』プロジェクト〜身寄りのない方の『お見送り』を考える〜」
の達成をご報告いたしました。

現在、身寄りのない方の「尊厳ある葬送」の実現に向け、
必要な支援のあり方や社会的な仕組みの可能性を検討するため、
全国のホームレス支援団体等へのアンケート結果の集計、
ならびに「葬送」を行っている団体へのヒアリングやインタビューを進めています。
4月には、その一環として第一回の視察訪問を実施しました。

今回は、今後の本格的なヒアリングに先立つ調査として、大阪の釜ヶ崎を訪問しました。
視察にあたり、本プロジェクトの有識者メンバーである
関西学院大学の白波瀬達也さんにコーディネートをお願いし、
6つの団体にご協力いただきお話を伺いました。
簡単ではありますが、訪問先団体をご紹介させていただきます。

視察先のご紹介

◎NPO法人釜ヶ崎支援機構

1999年から野宿生活者や生活困窮者への支援を行っている団体です。
今回は、釜ヶ崎支援機構が実施している様々な事業の中でも、
生活保護を利用している単身高齢者の社会的つながりづくり事業「ひと花プロジェクト」について、
釜ヶ崎支援機構事務局長とプロジェクトご担当者の方からお話を伺いました。
利用者の日々の生活に関わる中で、どのように葬送の現場に携わっているか、伺いました。

NPO法人釜ヶ崎支援機構にて

◎NPO法人サポーティブハウス連絡協議会

釜ヶ崎地域周辺の生活保護利用者の方の自立生活を支援することに
想いを持った各経営者がサポート付き共同住宅を運営しています。
こちらでは、日常生活支援・福祉支援・健康支援・地域生活支援等がおこなわれています。
当日はサポーティブハウスのうちの一つのメゾンドヴューコスモの代表の方より、
入居者の方がお亡くなりになられた後の葬儀についてや、
どのように地域の関係団体と連携しているかなどを伺いました。

NPO法人サポーティブハウス連絡協議会にて

◎社会福祉法人聖フランシスコ会ふるさとの家

聖フランシスコ会拠点事業所の一つとして1977年、
釜ヶ崎で活動する労働者の生活支援のために開設されました。
釜ヶ崎で亡くなられた労働者の方々のお骨が収められている納骨堂を見学しました。

社会福祉法人聖フランシスコ会ふるさとの家にある納骨堂にて

◎釜ヶ崎見送りの会

人生の最期を誰かに見送ってもらいたい、
そのように願う人々のために2012年に設立されました。
こちらでは会員同志の月1回の定例会や会員の方が
お亡くなりになられた際の葬儀参列を行っています。
当日は会の代表の方から、会の成り立ちや葬儀の内容、
宗教者としての立場から見た釜ヶ崎について伺いました。

◎ココルーム

2003年に大阪新世界で喫茶店から始まり、
2008年に釜ヶ崎に拠点を移し釜ヶ崎芸術大学、まちかど保健室、
2016年にはゲストハウスなどを展開しています。
こちらではアート活動を行っている方から、
ココルームで出会ったからこそできた葬儀についてお聞きしました。

◎山王訪問看護ステーション

飛田本通商店街にあり、看護の専門性を生かしながら、
地域の一員として地域に根差した活動を行っています。
今回は、こちらの看護師の方にお話を伺いました。
釜ヶ崎ならではの医療現場の事情やそれに伴う葬送の現状についてお話を伺いました。

ココルームと山王訪問看護ステーションの方がお話をされている様子

視察を通して見えてきたことー気づき・学び

今回訪問して実感したことは、想いのある支援者の方々、
そして地域に根差した人と人とのコミュニティの強さでした。
各団体がそれぞれの想いで「葬送」を行っていることや、
慰霊祭を通じて亡くなられた方を弔う機会があることなどを伺い、
このエリアならではの特徴を見させていただくことができました。
地域の方々や支援者の方が出会った方のお見送りに参加できる場があることで、
送り手自身のグリーフケアにもつながっていることも分かりました。

本人が希望する、可能な限りの「葬送」をどのように実現できるのか、
またそのためには、本人との日ごろからの関係性や
コミュニケーションの積み重ねが大事であることも改めて感じました。

現場で見えていること、そして、そこから聞こえてくる声から、
どのような支援のあり方や、社会の仕組みをつくっていくことができるのか、
なかなか難しいですが、引き続き考えていきます!

今後のスケジュール

継続して「葬送」を行っている団体への調査として、インタビューや視察を検討しています。
次回の視察先については鋭意検討中です。
今後も、定期的に情報や進捗をアップデートしていきます!

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