2025年もあとわずかとなりました。
ここ数日は、ぐっと気温も下がり、師走の寒さの厳しさを感じます。
みなさま、いかがお過ごしでしょうか?
今年は「セパレート帰省」という言葉が流行っているそうですが、
社会の変化を感じさせるニュースです。
実家に帰られている方も、そうでない方も、
それぞれのみなさまの年越しが暖かいものになることを願っております。
年末の恒例の「今年の漢字」は「熊」だ、と報道されていました。
秋には講演等で東北地方をはじめ、多くの都市に赴きましたが、
たしかに、熊をめぐるさまざまなニュースが全国をかけめぐっていました。
ただ、個人的には、そして、〈もやい〉的には、この1年は
「物価高」が大きなトピックになったかなと思います。
米の価格上昇も深刻な影響がありました。ですので、
漢字で言うと「高」や「米」になるかもしれません。
2025年は、食料品や生活用品等の値上げが相次ぎました。
まさに、生活が苦しい方が増加した1年であったと思います。
〈もやい〉で毎週土曜日の新宿都庁下で実施している食料品配布&相談会は、
9月には食料品を受け取りに来られた人数が922人に達しました。
これは過去最多の人数となります。
コロナ禍以前が100人以下の人数であったことを考えると、
途方もない水準の人数になっていることがわかります。
リーマンショック後の「年越し派遣村」に集まった方が500人でしたので、
その倍近くの人数が毎週集まっている、ということでも、
その規模の大きさが伝わるのではないかと思います。
私も、15年以上、路上での支援に携わってきていますが、
毎週800人をこえるのが当たり前になっている状況は、
これまで経験したことがない規模とレベルのものです。
また、事務所に面談相談に来られる方に関しても、
女性や、20代前半など若年の方も多く、これまで、
〈もやい〉などの支援活動に縁がなかった状況の方が、
生活の苦しさ、先の見えなさ、生きづらさを抱えていることが見てとれます。
私たち〈もやい〉も現場の活動を拡大しつつ、
一方で、民間の活動だけでは立ち行かない貧困という大きな問題に対して、
政府や自治体などが担う公的な仕組みの拡充を目指して、
引き続き、活動をおこなってまいりたいと思います。
年末年始は、一般的に「閉庁」といって、公的機関の窓口がお休みに入ります。
また、企業や事業所も休業に入ることが多く、
日雇い労働や週払いなどの雇用形態の仕事が減ってしまう、
なくなりやすい、と言われています。
歴史的にも、ホームレス支援や生活困窮者支援の文脈では、
年末年始は炊き出しや夜回り、宿泊の支援など、
年末年始に支援をおこなってきました。
「越年越冬闘争」という言葉を聞いたことがある方もいるでしょう。
〈もやい〉も、この年末年始、通常の相談活動のみならず、
臨時の相談会を実施するなど、一人でも多くの方が暖かく年を越せるように、
支援活動をおこなっています。
いま、この文章を書いている12月30日も臨時相談会中です。
この寒空のなか、所持金もなく路頭に迷う方がいる現状を、
2026年には変えていきたいと強く思います。
年末年始の相談活動について
年末年始の活動については、随時、HPやSNS等でも発信していきます。
チェックしていただければと思います。
2025年も、残すところ、あとわずかとなりました。
多くの方があたたかく年を越せるように、また、
希望をもった2026年を迎えることができるように、
〈もやい〉も全力を尽くしていきます。
2026年こそは、「公助」の拡大を目指していくためにも、
みなさまのお力添えも引き続きいただけますと幸いです。
ご挨拶の最後に、みなさまにお願いをさせてください。
〈もやい〉の活動は、みなさまからのご寄附によって成り立っています。
多くの方に支えていただき、活動をおこなっております。
毎回のお願いで恐縮ですが、〈もやい〉へのご寄附を賜れれば幸いです。
クレジットカード、郵便振替、銀行口座振替など、
さまざまな方法でご寄附いただけます。
〈もやい〉へのご寄附のお願い
みなさまからの想いに応えられるような活動を、しっかりおこなってまいりたいと思います。
それでは、あらためてになりますが、みなさま、良いお年をお迎えください。
また、〈もやい〉の活動へのご支援、ご協力を、今後とも、よろしくお願いいたします。
認定NPO法人自立生活サポートセンター・もやい
理事長 大西連