認定NPO法人 自立生活サポートセンター・もやい

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もやいブログ

2019.12.14

交流事業おもやいオンライン

しなやかに、ちぎれずに、お互いの背中を見失わずに

2006年9月にはじまった「女性の居場所グリーンネックレス」は、13年たちました。
たくさんの出会いがあり、お別れがありました。
私自身もこの13年の間に大きな変化を経験しました。

 グリーンネックレスをどのような場所にするのかは、
この場所を始めて以来ずっと考えてきました。
なんの専門知識もないド素人ですから、知識をつけたくて、
女性の安全と健康のための支援教育センターの講座を受けたり、
DVを経験した女性を支援するサポートグループの
ファシリテーターの養成講座を受けたりしました。

でも、私がつくりたい居場所は、なんかもっと違う場所だなと思いました。
それをうまく言葉にできないまま、思いつく限りのことをとにかくがむしゃらにやってきました。
 最初の頃は居場所を開く以外に、グリーンネックレスにくることが困難な女性に向けて、
家庭訪問をしていました。支援者・被支援者という関係ではなく、
平らな関係を作りたいと願っていましたが、私が未熟すぎて中途半端なかかわりになり、
女性たちをかえって傷つけてしまったこともありました。
相手を尊重すればこそ、自分の能力の限界線を引くことの大切さを学びました。

 グリーンネックレスに女性たちがたくさんきてくれるようになってからは、
「何をする場所ですか?」と聞かれることが多くなり、
中身のない私は「何かしなければ」と直反応し、石鹸つくり、草木染、縫物などの
ワークショップを企画し、時には外部の講師をボランティアでお願いし、
カラーセラピーやパワーストーンでブレスレットつくりなどもやりました。
楽しいけれど空回りしているようで違和感がぬぐえませんでした。
私はこの場を必要として集まってくれている女性たちの本当のニーズに気づけていなかったからです。

 それ以降は、みんなで同じことをするのをやめました。
それぞれしたいことを、好きにやってもらうことにしたのです。
ここは、生きづらい思いをしている女性たちが安らぐ場です。
一人の空間に浸りたければ読書、縫物、編み物、お絵かきなどに集中したらいいのです。
人と話したいのならば、日ごろのつらさや、苛立ち、悲しみなどを話してくれたらいいのです。
強要することはありません。
ちょうどよい距離感で、そっとお互いの気配を感じている場所。
他人との心地よい距離感は人によって違いますから、
グリーンネックレスは自分のちょうどよい距離感を試してもらうための場所でもあります。

2014年から何回かおこなってきたグリーンネックレスの展示は、
そんなバラバラな私たちが、バラバラでありながらその空間に調和を生み出し、
グリーンネックレスという場所を上手く体現できていたと思っています。

 さて、グリーンネックレスは、2020年3月の活動をもって終了します。
しかし、グリーンネックレスは終わりますが、世界のあちらこちらで、
心地の良い小さな居場所が今も、これからも、たくさん生まれるでしょう。
グリーンネックレスを卒業された方々も、きっと自分たちの大切な居場所があるはずです。
大切に思い合える人がいるのなら、その人の心の中にあなたの居場所がありますし、
一人きりが大好きな方でも、自分の大切な居場所は自分の心の中につくれます。
自分を好きになれたなら、自分と二人きりの時間も安らぐものです。

 2020年4月より、私の職場、企業組合あうんでカフェを開くことになりました。
私はそこのメインスタッフとして働くため、グリーンネックレスを卒業します。
このカフェは、もてなす方ももてなされる方も
“どっこいどっこい”の人間たちの支え合いによって運営します。
そんな支え合いネットワークの「どっこい食堂」です。
私は今まで女性に限定した居場所を運営してきましたが、
これからは性別、年齢、文化も様々な人たちとの居場所つくりをしていきます。
 今まで出会ったたくさんの方との、ゆるやかなつながりがこれからも続きますように。
しなやかに、形を変えても決してちぎれることなく、お互いを感じていられますように。
これからも、ずっと、どうぞよろしくお願いします。(山口)

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