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もやいブログ

2023.12.23

お知らせおもやいオンライン広報・啓発事業

【連載】生活を支えるためのお役立ち情報(保存版)~第7回 手ごろな住宅か貧困ビジネスか~

今の住まいの家賃が住宅扶助基準を超えていたら

 生活保護制度を利用している場合、現在住んでいる住宅の家賃・間代が「住宅扶助」として支給されますが、この住宅扶助には上限があります。もしも家賃が住宅扶助の上限額を超えている場合どうなるのでしょうか?

 まず大事なこととして、住宅扶助を超える家賃の住宅に住んでいたとしても、生活保護制度は利用できます。ただし、住宅扶助は上限までしか支給されず、残りは生活扶助費の中から支払うこととなります。例えば住宅扶助の上限が53,700円で実際の家賃が60,000円だった場合、残りの6,300円は生活扶助費の中から支払う必要があります。

 しかし、ただでさえギリギリの保護費の中で何千円も支払うことは簡単なことではありません。そのせいで食費等がなくなり生活できなくなってしまっては本末転倒です。そのため、家賃が住宅扶助基準を超過している場合には、福祉事務所から住宅扶助基準以内の住宅へ転居するように指導がなされることがあります(その場合の敷金等は支給されます)。この指導は生活保護法第27条に基づくものであり、正当な事由なく拒否し続けた場合には保護が廃止されてしまう可能性もあります。

転居指導が留保される場合

 基準内の住まいに転宅するように求められても、それがなかなかできない場合もあります。その場合、転居指導がいったん止められる場合があります。具体的には、次の3つの条件のいずれも満たす場合です。

①保護申請前から今の住まいに住んでいて、継続して住むことを希望していること

②稼働能力や就労意欲をもっており、現在の住居に住み続けることがその人の自立に役立つこと

③住宅扶助基準の超過金額が単身世帯なら5,000円、複数人世帯なら10,000円以内である、もしくはこの目安を超えていても最低生活が維持できること

 家賃が基準額よりも5,000円(もしくは10,000円)以上高いときは、例えば現に就労しており、その収入の基礎控除分を生活費にあてることで最低生活が維持できる場合や、自営業をしていて収入が今後戻ることが期待される場合には転居指導が一時的に留保される可能性があります。

 これ以外の場合でも事情によって転居指導が留保されることもありえます。転居することがかえって自分の生活にとってマイナスになると感じたときには、ケースワーカーに相談をしてください。また、もしも意に反して転居指導がされた場合は、〈もやい〉やその他の支援窓口を訪ねてみてください。(結城)

QUIZ.
生活保護の住宅扶助はあくまでも家賃・間代の費用についてのみ適用されます。光熱水費については基本的には生活扶助費(の第2類)の中から支払うことが原則です。しかし、会社の寮やシェアハウスなど、中には「家賃」として月々支払う金額の中に光熱水費が含まれている場合があります。この場合、住宅扶助費と生活扶助費の支給はどのようになされるのでしょう?
①家賃本体と光熱水費の金額が明示されている場合(例:家賃50,000円、光熱水費10,000円)
②家賃本体と光熱水費の金額が明確に分けられていない場合(例:家賃+光熱水費 60,000円)
以上のような場合、それぞれ住宅扶助費はいくら支給され、生活扶助費はいくら減額されるでしょうか?

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●前回のQuizの解説
第6回のQuizは生活保護制度を利用中にフリースクールに通う費用が支給されるかどうかという設問でした。現時点では残念ながらフリースクールの費用は教育扶助の対象外となってしまいます。ただし、自治体によってはフリースクールに通う場合の補助金制度があります。この補助金について、収入認定するかどうかは明確なルールがありません。もし補助金の仕組みがあれば、福祉事務所のケースワーカーに収入として認定しない(つまり保護費から引かれない)取り扱いができないか相談してみましょう。

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