少しずつですが、春の足音が聞こえてきたように思います。
みなさま、いかがお過ごしでしょうか。
2025年、どのような1年になるのか、予測もつかないのが正直なところです。
少数与党の国会が始まり、重要施策についての審議がおこなわれていますが、
公的支援の拡充についての議論は活発とは言えません。
世界をみれば、トランプ政権がスタートしました。
自国中心を掲げ、マイノリティに厳しい政治姿勢を前面に出しています。
物価高も相変わらず続いています。社会全体の先行きは不透明で、
不安定さが常態化しています。
私たちの足下の活動でも、年が明けて1月25日の新宿都庁下での食料品配布と
相談会の活動には、過去最多を大きく更新する828人の方が訪れました。
800人ごえは2024年中に何度かありましたが、その頻度は高くなっています。
ある種の世相といいますか、物価も上がり暮らし向きが厳しい方が
増加している状況を、端的に表している数字とみることができます。

先日、新宿区の小学校に招かれて、貧困問題をテーマに授業をおこないました。
そこで話題にしたのですが、子どもにも人気のお菓子である「う○い棒」は、
今は15円(税抜き)になっているのです。
私が子どものころは10円でしたが、2022年4月から12円に、
2024年10月から15円に値上がり。なんと1.5倍になっています。
一方で、最低賃金を調べると、2021年10月から1041円、
2024年10月からは1163円ですので、こちらは1.12倍。
これは一つの例でしかなく実際には全体を見なければいけませんが、
賃金は確かに上がっている一方で、物価高の状況はそれ以上。
特に低所得者やギリギリのところで生活している人にとっては、
生活基盤を脅かすレベルのものであると言えるでしょう。
年金や生活保護などの社会保障給付の水準も、この物価高に連動して
十分に上げられているわけではありませんから、そちらも深刻です。
私たちは、特にコロナ禍以降、先述した800人の数字のように、
失業やホームレス状態などだけではなく、働いていても生活が楽ではない、
住まいはあるが日々のやりくりで精一杯などの、
生活が苦しい方への支援をおこなってきました。
できることは積み重ねていますが、民間の、
NPO等の取り組みでは限界があるのも事実です。
公的な支援の拡充なしには、解決しえない課題であることは明白です。
引き続き、現場の活動はもちろんのこと、
現場から見えてきた社会の実相を発信し、
必要な施策を求めていきたいと思います。
1月下旬に、2024年中にご寄附をいただいた方に向けて、
領収書の発送をおこないました。
〈もやい〉は認定NPO法人ですので、
ご寄附いただいた方は税額控除が受けられます。
みなさまのご支援、ご協力をお願いいたします。
また、領収書の発送に際し、寄附者の方向けのFacebookグループを
作成する旨のチラシを入れさせていただきました。
日々の活動の様子や活動の裏側を投稿していきます。
まだ、未確認の方はぜひご参加いただけますと幸いです。
春は変化の季節です。新たなメンバーも参画予定です。それは次号にて‼
大西連