こちらの記事は、おもやい通信2017年秋号に掲載された巻頭言を再編集したものです。

6月24日(土)に、〈もやい〉の総会と創立16周年パーティーがおこなわれました。
パーティーの模様はおもやい通信今号掲載の記事を見ていただくとして、〈もやい〉は活動をはじめて17年目に入ることになります。

2016年~2017年は、とても大きな変化があった年です。
2016年の末には、長らく多くの方に愛されてきた「こもれびコーヒー」の販売を、事務所と活動スペースの移転にともない、停止しました。2017年の2月には、創設メンバーでもあり団体の顔でもあった稲葉剛さんが〈もやい〉を離れることになりました。
3月には、活動スペース「こもれび荘」、事務所であった「アゼリアビル」から、新しい「みどりビル」に引越しをおこないました。新しい事務所は駅も一駅変わって江戸川橋。ワンフロアをまるごと借りて、これまで活動ごとにわかれていたものを統合しました。

この1年の変化はとても大きなものでした。
「〈もやい〉が変わってしまう」「稲葉さんがいなくなって大丈夫だろうか」「こもれび荘に思い入れがある」。
そんな声をいただくこともありました。スタッフ、ボランティアメンバーのなかの多くの人も不安を感じたことでしょう。
僕自身、4月に新事務所のお披露目をおこない、サロンの開店日にいつもの常連さんたちが集ってくるのを見て、とても安心したことを覚えています。

おもやい通信でもこれまで報告がありますが、新事務所になり、活動自体をより充実・発展させるため、スタッフ一同、さまざまな取り組みをおこなっています。
相談ブースの作り方でプライバシーへの配慮など工夫ができないか、入居支援でより必要な人への訪問ができないだろうか、農業体験など社会参加の機会をもっと作れないだろうか。新しい場所での試行錯誤はまだまだ続いています。

これまで培ってきたもの、大切にしてきたものを守りつつ、新しい場所で新しい人と出会ったり、事業を展開していくこと。〈もやい〉は、「つながり」を大切にこれからも活動していきたいと思っています。
総会では役員が選任されました。理事長に私大西連、理事には池座剛さん、松山晶さん、中村あずささんが留任しました。監事は、岩田鐵夫さん、石井宏明さんが引き続き務めることになりました。

僕は2014年に理事長に就任してから4年目になります。
この3年でやれたこと、やれなかったことを振り返りながら、重責を果たしていきたいと思っています。
日本の貧困問題はまだまだ解決に向かっているとは言えません。
〈もやい〉のチャレンジは続いていきます。
17年目に入ります〈もやい〉を、今後ともに、よろしくお願いします。

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ABOUTこの記事をかいた人

大西連

1987年東京生まれ。 認定NPO法人自立生活サポートセンター・もやい理事長、新宿ごはんプラス共同代表。ホームレス状態の方、生活困窮された方への相談支援に携わっています。また、生活保護や社会保障削減などの問題について、現場からの声を発信したり、政策提言しています。