認定NPO法人 自立生活サポートセンター・もやい

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もやいブログ

2020.9.29

入居支援事業おもやいオンライン

新型コロナ禍での住まい探し ~住まい探し相談フォーム導入~

じっくりとご相談者の話に耳を傾け、心の奥にある「望み」を少しでも汲み取る。
できるだけ多くの部屋を実際にいっしょに内見し、ご本人の心が落ち着く部屋を
「ご自身で選んで」いただき、その希望をかたちに変えていく。
事業開始から2年余、そういったスタンスでお手伝いを進めてきました。

思いと現実の狭間で

ところが、新型コロナは本事業のあり方も大きく変えることとなりました。
4月以降、早期のコロナ終息を願いつつも新たなお部屋探しの受付は停止。
それまでお受けしていた案件で待ったなしのお部屋探しだけは続けつつ、
新たな事業のあり方を模索しました。
その間にも、住まいを失った、収入減で家賃が払えないといった多くの相談が、
また都の施策によりビジネスホテルで急場を凌いでいる方からも
「打切り」後の住まいをどうすれば……、といった切実な声が届いていました。
2年前に「住まい探し」のお手伝い(仲介)と踏み込み、
新事業をスタートさせた思いからすると、まさにこのような事態が訪れた時にこそ、
この事業のバリューを発揮すべきと鼻息が荒くなる(笑)反面、
感染拡大の第二波、第三波がいつ押し寄せるか判らないなか、
どのようなかたちで事業を再開できるか悩ましい日々が続きました。

住まい探し相談フォーム開設

6月17日、できるだけ密を避け、感染予防に努めるため、
オンラインツールであるフォームへの記入をご相談の入口と位置付けることで、
まずはリモートでのやり取りが可能な方々についての住まい探しを再開することとしました。
https://www.npomoyai.or.jp/20200617/6668

従前は面前での聴き取りを通じて、ご本人の生活状況、今後の方向性、
新たな住まいへの希望などをお伺いするとともに、顔を合わせてお話しすること
(さらにその後内見をご一緒すること)でご本人とのざっくばらんな関係を
作り出すことに注力していましたが、今後はメールでのやり取りを中心に据え、
いかに同席する機会を減らせるか。なかなか難しい方針転換です。
不動産業界では、オンライン内見の導入等も進んでいますが、
〈もやい〉にご相談される方の多くは「安価」で「広くない」お部屋を探している方。
押入れの奥行や隣室との壁の厚さなど、現地で直接確認しないことには分かりにくい、
でも大切なポイントが少なくありません。また、共用部分(廊下・階段……)
管理が行き届いているかどうか、ここは入居後の平穏な生活のために
欠かせないチェックポイント。何度となくメールでやり取りを重ね、
字面で伝わりにくい点は電話で対話をさらに重ね、内見する部屋数を予め絞りつつも
現地へのご案内を続けています。

新たな相談者の拡がり

フォーム開設以降、週に5、6件前後のご相談が寄せられています。
当初は前述のビジネスホテルからの移行組が多かったのですが、
徐々に多様なご相談が寄せられるようになりました。
ご相談の入口が「火曜日の面談」からオンラインに変わったことで、
これまで「曜日」や「場所」の関係で当事業にアクセスできなかった方からの相談も
見受けられます。まだ住まい探しの前段階といったご相談も予想以上に多く、
生活相談に繋ぐことで〈もやい〉全体としての相談者の拡がりも実感しています。
ただ他方で、メール中心のやり取りとなったことで、
携帯を使いこなせない高齢世代など、ご相談しにくくなった方もいらっしゃると感じています。

不断の見直しを

スタッフとともに〈もやい〉の活動を支えていただいている
ボランティアの皆さんの健康を守ることも大切な課題であり、
限られたリソース(人材・時間)の中では全てを満たせない現状に隔靴掻痒の日々が続いています。
今後もコロナ禍の広がりは予断を許しませんが、リスク管理はしっかりしつつ、
一人でも多くの方のアパート入居や生活のリスタートを応援するため、
今後もその事業のあり方は臨機応変に見直していきたいと考えています。(土田)

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