認定NPO法人 自立生活サポートセンター・もやい

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もやいブログ

2020.12.31

お知らせ

2020年の御礼とご挨拶

2020年、みなさまにとって、どのような一年だったでしょうか。
〈もやい〉は「コロナ対応」に追われた一年でした。

最初に、新型コロナウイルスの影響で
仕事を失った人から相談が寄せられたのは3月だったと思います。
2月の大規模イベントの自粛要請が出された直後に、
まさにそういったイベントの設営・解体や警備の仕事を、
日雇いや請負でしていた人からの相談でした。
また、安倍前総理による小中高校等の一斉休校の要請がおこなわれてからは、
シングルマザーなどの子育て中の方からのSOSも多く届きました。

こういった事態を受けて、新型コロナウイルスの感染拡大とその影響により、
失業したり、収入を失った人が多くうまれるのではないか。
なにより、感染拡大の状況下で相談を受ける
スタッフ・ボランティアの安全を守ることができるのだろうか。
そして、活動自体が感染拡大のきっかけになってはいけない、そんなことを考えていました。

〈もやい〉のなかでも何度も議論を重ね、また、緊急の理事会等も開催し、
感染予防を徹底しつつも、必要な方への支援を何とか続けていこうという決定を下しました。
医師に感染症対策のマニュアル作成をお手伝いいただき、
事務所のレイアウトを大幅に変え、備品等も入れ替えました。
そして、苦渋の決断でしたが、3月の途中から
居場所作りの活動であるカフェ(サロン)などの交流事業を停止しました。

4月からは緊急の相談体制をとり、通常の活動にプラスして、
毎週土曜日に新宿ごはんプラスと合同で都庁下での食料品配布と相談会をスタートしました。
都庁下での食料品配布の活動は、4月から現在までで7,800人分の食料品や
マスク約15,000枚を配布しています。
都庁下での活動では、6月に都庁側に雨のなか追い出されそうになったり、
11月にはカラーコーンを置かれて活動を妨害されたりと苦労もありましたが、
いろいろな方のご支援で何とか毎週継続して活動をおこなうことができています。

相談件数は、例年の1.5倍以上。緊急性の高い相談も多く、
宿泊費や生活費の提供などもこの9か月おこなっています。

5月には、保証人や緊急連絡先をお引き受けしている方に対して、
生活状況についてのアンケートをおこなったほか、
緊急的な支援として総量約5トン分のお米をお送りしました。
アンケートでは、消毒のためのアルコールやマスクなどの
衛生用品の購入のため支出が増えていること、
仕事が減って収入が減少し生活に困っている、などの状況が見えてきました。

6月には住まい結び事業(不動産仲介事業)のオンラインフォームでの相談を開始しました。
こちらは、約3か月で120件の相談が。住まいがない方の物件探しや収入が減って
家賃の低いところに転居する必要に迫られた方の相談は今も続いています。

9月には住まいのない方へのシェルターを開設しました。
〈もやい〉では、複数人部屋の施設等ではなくアパート型のシェルターの必要性を
以前から発信してきましたが、特にこのコロナ禍においては
プライバシーの保たれる個室が必須であろうということで、先行してまずは5部屋を確保しています。
シェルターを利用した方のなかには、支援を利用してすでに
ご自身のアパートに入居することができた方もいます。
年明けには数部屋増設する予定ですが、
〈もやい〉としても居住支援の取り組みに引き続き力を入れていきます。

また、この年末年始は、相談会のほか、オンラインフォームでの相談受付もおこなっています。
文字通り、現在進行形で多くの方のSOSの声を受けとめていると言えるでしょう。

私たちは現場の活動を通じて、新型コロナウイルスの感染拡大とそれにともなう景気の悪化により、
前例のないほどの規模で非正規などの不安定な働き方をしていた人に、
失業や収入減の波が押し寄せていることを実感しています。

そして、連日寄せられる相談に何とかお応えしているものの、
私たちだけの力では、多くの相談に対応できないのが実情だと思います。
私たち同様に多くの支援団体がコロナ禍で支援活動を拡大して対応していますが、
民間の活動に限界があるのも事実です。
まさに今こそ「公助」の重要性を感じていますし、
その役割を大きく発揮するべき時であると強く思っています。

〈もやい〉でも、3月と11月に厚労省に、6月には総務省に、
6月と12月には東京都に対して要望書を提出したほか、
与野党をこえて困窮者支援の拡充について提言をおこなっています。
メディアでの発信についても、積極的におこなってきました。
まだまだ、力不足の部分はありますが、現場の実態を発信すること、
必要な施策を提案していくことは、今後もぶれずにおこなっていきたいと考えています。

12月には入っても、感染の拡大は止まっていません。
コロナ禍での支援活動は来年も継続しておこなわざるを得ない状況でしょう。
2021年も引き続き、現場の活動に邁進していきたいと思います。

2020年、多くの方に活動を支えていただきました。
感染リスクのあるなか活動に参加してくれたスタッフ、ボランティアの仲間ももちろんですが、
各地で支援活動をおこなう団体、メンバーとも見える形・見えない形で連携したり、
支援物資を融通しあったりと、今までなかった協働関係が作れていると思います。

そして、なにより、ご寄附をくださったみなさまに心から感謝をお伝えしたいと思います。
〈もやい〉は個人のみなさまからのご寄附で活動をおこなってきているのですが、
それをあらためて実感する1年でした。この1年で本当に多くの方に寄附という形で
ご支援をいただいていますし、たくさんのあたたかいメッセージをいただいています。
スタッフ・ボランティア一同、大変励みになっています。

また、企業や財団等からのバックアップにも支えられました。
パルシステム連合会、パルシステム東京、カリタスジャパン、キャタピラー財団、Give2Asia、
JPモルガンをはじめ、助成金や物資の支援としてさまざまなご協力をいただいています。

セカンドハーベストジャパンをはじめとしたフードバンクのみなさん、
ETIC、日本NPOセンター、シーズはじめ、多くのNPOセクターの仲間にも助けられました。
それぞれの団体も「緊急事態」のなか、労を惜しまずに
尽力してくださったことに感謝の気持ちでいっぱいです。

2021年も、〈もやい〉の活動は続きます。
先の見えないなかですが、現場の活動は待ったなしです。
コロナ禍で厳しい状況におかれている人を一人でも支援するべく、私たちは前に進んでいきます。

今後ともに、〈もやい〉の活動に関わっていただけたらと思います。
引き続き、ご支援、ご協力いただけますよう、よろしくお願いします。

みなさま、良いお年を。そして、2021年を良い1年にしていきましょう!

ー もやい理事長 大西連

末尾に恐縮ですが、ご寄付のお願いを。

コロナ禍を受けての支援活動への応援のお願い
https://npomoyai.or.jp/covid-19

【新型コロナ】住まいや収入を失った人を支えたい!年末年始の緊急支援プロジェクト
– クラウドファンディングCAMPFIRE https://camp-fire.jp/projects/view/348012

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