認定NPO法人 自立生活サポートセンター・もやい

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もやいブログ

2023.6.13

おもやいオンライン

「孤独・孤立対策推進法」国会提出

政策参与として

 「おもやい通信」で何度か報告をしてきましたが、2021年6月より、当時の菅義偉総理に任命され、内閣官房孤独・孤立対策担当室の政策参与としての任に就いています。

政策参与としての仕事は、詳細はなかなか書きにくいのですが、新しく立ち上がった「孤独・孤立対策」という政策分野について、論点を整理したり、官と官、官と民の調整をしたり、どのような施策をおこなっていくのが適切なのかを立案したり、といった内容です。意見を言うだけではなく、時には作業を分担したり、自治体等や民間団体に赴いて意見交換をしたりと、多岐にわたります。

この2年ほど、政府としても
・NPO等との対話の場としてのフォーラムの実施(全10回、70人近くの当事者、支援者、専門家からの意見聴取)
・実態把握の調査の実施(2021年度および2022年度)
・「重点計画」の策定(2021年度および2022年度)
・全国版官民連携プラットフォームの設立と運営(2021年度)
などの、孤独・孤立対策の施策を実施していくための環境整備に力を入れてきました。

また、上記を進めるなかで、
・地方版官民連携プラットフォーム事業(2022年度は全国29自治体)
・NPO等への支援事業(2023年度)
・統一ダイヤルの試行的実施(2022年度 #9999)
などのモデル事業に取り組み、施策の方向性について整理をしてきました。

孤独・孤立対策は、個別的な課題に取り組む政策分野ではなく、
福祉分野にとどまらないあらゆる政策分野、活動分野が関係するものです。

そして、政府や自治体のみで完結するテーマでもなく、
官民の連携や協働が重要なベースになる、という、新しい枠組みを作ることを想定しています
(ここでいう「民」はNPO等のみならず企業や住民自治組織も含む)。

「孤独・孤立対策推進法」

 2023年3月に入り、具体的な施策を今後、国、自治体をはじめとして進めていくために、
「孤独・孤立対策推進法」が国会に提出されました。

法案の内容としては、
・孤独・孤立は社会全体が取り組むべき問題であること(2条)
・当事者や家族の立場にたって施策を実施していく必要があること(2条)
・国は孤独・孤立についての実態把握や計画策定をおこなっていくこと(8条・14条)
・国は総理を本部長とする推進本部を設置し、孤独・孤立対策担当大臣を置くこと(23条・24条)
・国および自治体は官民の協議の促進、協働の枠組みを推進する施策を実施すること(11条)
などが記載されています。

一般的にいう「理念法」に近いもので、何らか具体的な施策の内容や罰則等を明記した法律ではありません。ですが、孤独・孤立の問題が「自己責任」ではなく、社会全体でとりくむ課題であること、一方で、個人や家族のありようを国が何らか規定するものではなく、当事者や家族の立場にたって施策をおこなうべきであることなどを明記しています。

さらに、官民の協働というところを特に強調しているように、国や自治体が上から支援や施策を降ろしていくのではなく、官民で協議しながら一緒に取り組んでいく課題である、というところを法律のなかに書き込んでいることにも特徴があります。

この2年のさまざまな取り組みのなかで見えてきた施策の方向性を、今の時点でできる範囲である程度「法律」という形に落とし込むことができたのではないか、と考えています。

国会での審議が始まる

 いま私はGW中にこの文章を書いているのですが、4月中に法案は衆議院を通過し、5月に入ってから参議院での審議が始まります。みなさんのお手元にこの「おもやい通信」が届いたころには、参議院での審議が終了している可能性もあります。

 文字数の制限がありますので、今日はさわりしか書けませんでしたが、「法案ができてどうなるのか」、など、機会をみつけてお伝えしていきたいなと思います。この「孤独・孤立対策」の動きについてもご注目いただけますと、うれしいです。

 最後になりますが、〈もやい〉の活動と並行して政策参与の仕事をするにあたり、〈もやい〉のメンバーにはさまざまな形で支えられています。もうしばらくわがままを言わせていただき、引き続き「孤独・孤立対策」の政策立案に関わっていく予定です。(大西連)

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