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もやいブログ

2024.3.22

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【連載】生活を支えるためのお役立ち情報(保存版)~第8回  生命保険等の扱い~

 生活相談・支援事業担当の結城です。恒例となっている生活を支えるためのお役立ち情報ですが、今回は生活保護制度上の生命保険等の取り扱いについてです。生命保険といってもさまざまですが、保護を利用するにあたって保険はかけ続けられるのでしょうか? それとも解約しなければならないのでしょうか?

生命保険の考え方の基本

 生命保険で解約返戻金がある場合には、原則としては「利用し得る資産」としてみなされ、解約するように求められます。返戻金がない掛け捨てのものについては基本的には解約する必要はありません。

 ただし、生命保険は「万一の場合に備える」ものであり、通常の貯金とは性質が大きく異なります。そのため、死亡や障害の危険対策を目的とした保険で、返戻金の額が少額(保護基準の3か月分程度)であり、かつ保険料が高額でない場合にはすぐに解約する必要がないとされています。ちなみに、保険料は東京都の場合、生活扶助の基準の15%程度までならよいという運用になっています。

 逆に言えば、貯蓄的性格の強い保険であったり、解約返戻金や保険料が高額の場合には、やはり解約を求められてしまう可能性があります。

こんなときはどうする?

 基本的な考え方は上記の通りですが、これはあくまで保護を利用している世帯の人が、保険契約をし、自分もしくは他の世帯のメンバーが保険金を受け取るような場合を前提としています。しかし、実際にはこれとは異なるケースもあるかと思います。

①保護利用世帯ではない人が契約したり支払いをしている場合
 もし被保護世帯以外の人(別居している親族など)が、保護利用している本人を保険をかける対象者として契約をしている場合には、そもそも解約の必要がありません。また、東京都の場合ですが、契約者が被保護世帯の人であっても、世帯外の人が実質的に支払ってきた実態がある場合には、解約をしなくてもよい可能性があります。

②保護を利用している本人が契約しているが受取人が被保護世帯員ではない場合
 契約者名が自分で、受取人が被保護世帯外の場合はどうでしょう。例えば、自分が死亡した時に別居している親(=生活保護を利用していない)に対して保険金が支払われるような契約です。残念ながら、このケースは保険の継続は原則として認められません。ただし、受取人を自分の世帯の別の人(同居している配偶者や親・子など)に変更できれば継続できる可能性があります。

③解約して返戻金を受け取った場合 
 保護を開始した時点で受け取れたはずの返戻金相当額については、活用すべき資産がすでにあったという扱いになるので、それまで受け取った保護費を上限にすべて返還する必要があります。一方で、保護開始後に積み立てられた分については、通常の預貯金と同様の扱いとなるので、保護の目的に反しない使い方をするのであれば、手元に置くことができます。(結城)

QUIZ.
生命保険に似たものとして、個人年金保険があります。もしすでに保険料の支払いを終えて給付金を受け取るだけの場合、これは一般的な年金(国民年金や厚生年金等)として扱われるのでしょうか? あるいは生命保険と同じような扱いがなされるのでしょうか?

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●前回(第7回)のQuizの解説
前回のQuizは家賃本体と光熱水費の金額が明示されている場合と明確に分けられていない場合とで、住宅扶助費と生活扶助費はどのように支給されるのか、という問題でした。住宅費の中で光熱水費相当額が明らかなときには、その金額を除いた家賃本体の金額を住宅扶助として支給します。したがって、残りの光熱水費相当額部分は生活扶助費(満額支給)の中から支払う必要があります。光熱水費と家賃が明確に分けられていない場合には、その全額を住宅扶助の上限の範囲内で支給することとなります。この場合、実は生活扶助費も控除(減額)することなく満額支給されます。ちなみに知人等から無料で住宅の提供を受け、光熱水費についても負担していない場合でも、生活扶助費は満額認定される可能性があります。

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